賃貸or購入?それぞれのメリット・デメリットをとことん解説

高い部屋から見下ろす絶景や共有設備の充実、高級感が人気のタワーマンション。
タワーマンションに住みたい場合、従来は分譲物件を購入するのが一般的でしたが、最近では賃貸物件として借りることができるタワーマンションも増えてきました。
それでは、賃貸物件を借りるのと分譲物件を購入するのとでは、どちらが良いのでしょうか?
今回は様々な視点から、購入と賃貸におけるそれぞれのメリット・デメリットを比較してみたいと思います。

タワーマンションとは

普通のマンションよりもかなり高さのあるマンションを「タワーマンション」と呼んでいることが多いですが、実際に何階以上で何m以上のマンションをタワーマンションと呼ぶのか、はっきりとした決まりはあるのでしょうか?

実は、タワーマンションという呼称には法的な定義はありません。
Wikipediaにおける「超高層マンション」の説明によると

「建築基準法第20条「高さが57mを超える建築物」と同義とすることが多く(ほぼ同程度の高さとなる17階超も含まれる)[1]、環境アセスメント条例が適用される「高さ97m以上」とする場合も見られる」
出典元:超高層マンション – Wikipedia

とありますが、一般的には「高さ60m以上で20階以上あるマンション」をタワーマンションと呼ぶことが多いようです。全てに当てはまるわけではありませんが、他にもタワーマンションの特徴として

  • 敷地内にスーパーやコンビニ、図書館などがある
  • キッズルームやジム、ゲストルーム、シアタールームなど共用施設が充実している
  • 24時間有人管理やオートロックの採用、至る所に防犯カメラが設置されているなど手厚い防犯対策がなされている
  • 備蓄倉庫や簡易トイレなどの防災設備も完備

などが挙げられます。

ちなみに、日本で「高さ60m以上で20階以上あるマンション」という定義に当てはまるタワーマンション第1号は、埼玉県にある高さ66m・21階建てで総戸数463戸の「与野ハウス」です。
1976年に建設された与野ハウスはエントランスや中庭がゆったりと広く、敷地内に幼稚園、低層階に店舗があるなど当時としては画期的なマンションでした。
また、高層棟を含めた全4棟が巧みな配置で並んでおり、駐車場を周りから見えない場所にしてスッキリとした外観を演出しているのも特徴的です。
与野ハウスが建てられた21年後の1997年に建築基準法の改定があり、容積率の上限や計算方法の変更、日影規制が緩和されたことによりタワーマンションは一気にその数を増やすこととなりました

タワーマンションのメリット

賃貸物件と分譲物件を比較する前に、タワーマンション自体のメリット・デメリットを紹介したいと思います。まずはメリットについてご紹介いたします。

【低層階はコストパフォーマンスが高い】

タワーマンションのメリットといえば景観の良さがまず挙げられるくらいなので、低層階だと住む意味がないのでは?と思うかもしれません。
しかし、低層階は高層階と比べると当然のことながら価格が安く、それでいて設備自体は高層階と変わらないので眺望以外では特に違いはないんです。

もちろんジムやプール、シアタールームなどの共用設備も利用することができます。
眺望が気にならないという人にとっては、タワーマンションの低層階はコストパフォーマンスが非常に高いと言えそうです。

【施設や設備充実。とにかく便利】

こちらは高層階だけではなく低層階に住んでいる場合でも感じられるメリットになるのですが、施設が充実しているのでとにかく便利です。
物件ごとに違いはありますが、例えば低層階にスーパーなどの店舗が入っていれば外に出なくても買い物を済ませることができてしまいます。
他にも子育て世代に嬉しいキッズルームや体を動かしたい人にピッタリのスポーツジムやプール、友人や家族が遊びに来た時に格安で宿泊できるゲストルームなど、施設が充実しています。

また、フロントコンシェルジュがクリーニングの受け渡しやハイヤー手配などに24時間対応してくれたり、各フロアにゴミ捨て場があったりするのも便利です。
物件によっては24時間いつでもゴミを出すことができますし、ゴミの選別をしてくれる専門の業者がいるのでゴミの分別トラブルとも無縁です。さらに、多くのタワーマンションは駅直結、もしくは駅からアーケードを通って5分以内の場所にあるので雨の日でも濡れることなく駅まで行くことができます。
駅から近いということは、防犯面での安心感もあります。
最近では駅直結タイプやお風呂の蛇口から温泉が出る物件など、さらなる魅力があるタワーマンションも続々登場しているのです。

【景観・日当たりが良い】

高層階ならではのメリットになるのですが、とにかく眺めは抜群に良いです!
周りにさえぎる建物が無いので遠くまで見渡すことができますし、基本的には都会にあるので夜景も素晴らしいです。
また、周りにさえぎる建物が無いということは、周りから家の中を見られる心配も無いということになります。
加えて、通常マンションの場合は日当たりの良さから南向きの部屋が人気ですが、タワーマンションの場合は周りにさえぎる建物がないので北向きの部屋でもそれほど日当たりの心配はしなくて済みます。

【虫が出にくい】

これは一般的なマンションでもそうなのですが、階数が高ければ高いほど虫(ゴキブリや蚊など)が出にくいです。さらにタワーマンションの場合は気密性もしっかりしているので、更に虫が入ってくる可能性が低くなります。タワーマンションの高層階ともなれば、虫が入ってくる心配はほとんどしなくても済みます。ただし、あくまで「外から入ってくる虫がほとんどいない」というだけであり、全く虫が出ないというわけではありません。特にゴキブリは排水溝や換気扇の隙間から入り込んでくるので、一度でも入り込んでしまうと情報が共有されてしまうので次々と入ってきてしまう可能性もあるので注意は必要です。

 

【優秀なフロントマンが対応してくれる】

フロントマン、とはそのマンションを管理する会社の営業担当のこと。
自主管理をしているマンション以外はフロントマンが付いているのですが、タワーマンションともなると社歴も経験もある、優秀なフロントマンが担当してくれるのです。
マンション内の困りごとは受付で対応してもらえますが、そこでは対応しきれないことでもフロントマンに頼めば何でも解決してもらえるので助かります。

 

タワーマンションのデメリット

次に、タワーマンションのデメリットについて紹介してまいります。

【管理費が高い】

タワーマンションは設備が充実している分、管理費も高額となりがちです。
ジムやプール、ゲストルーム、シアタールームなどは人によっては全く利用しないケースもあるので、そうなると高い管理費を無駄に感じてしまうこともあります。

【地震の際にすごく揺れる】

タワーマンションは高さがあるので、地震の際にぽっきり折れてしまうようなことがないように揺れを吸収できるようなしなやかなつくりになっています。
逆に言えば、小さな地震や余震でも大きな揺れを感じてしまうということ。
しかも長い間ゆらゆらと揺れているので船酔いのようになってしまい、不眠症やめまいなどの症状が出てしまう人もいるんです。

【エレベーター待ちをしなくてはいけない】

1階までの距離が長いので、エレベーターを呼んでも高層階に来るまでに結構な時間がかかってしまいます。特に朝の通勤時間帯などは、多くの住人が一斉にエレベーターを利用するので更に時間がかかってしまいます。エレベーターが複数台あれば待ち時間も解消されるので、タワーマンションを選ぶ際の一つのポイントだと言えそうです。
また、地震などの影響でエレベーターが止まった場合は非常に不便で、東日本大震災の際、タワーマンションの高層階に住む人の中には「エレベーターが止まってしまって不便だった!」という人が少なからずいたようです。
地震等で大きな揺れを感知した場合、エレベーターは非常停止して復旧まで数時間、最悪の場合数日間も動かなくなってしまうこともあるんです。
建築基準法では15階建て以上のマンションに非常用エレベーターを設置することが義務付けられているので、地震が起きたからといってすぐに移動手段がなくなってしまうわけではありません。
とは言え、非常用エレベーターは一定時間しか動かないのでエレベーターの復旧までに時間がかかってしまった場合はいわゆる「高層難民」と呼ばれる問題に直面してしまうこともあるのです。

 

【外出が億劫になってしまう】

タワーマンションの高層階に住んでしまうと、わざわざエレベーターで下に降りて外出することを面倒に感じてしまいがちです。
また低層階にスーパーやコンビニなどの店舗がある場合は、日常の買い物が全てマンション内で事足りてしまいます。そのため、ほとんどマンションから出ないで過ごしてしまうという人もいるようです。

 

賃貸or購入、どちらがオススメ?

タワーマンションというと分譲物件というイメージが強いかもしれませんが、最近では賃貸物件も増えてきています。借りるのと買うのではどちらがオススメなのでしょうか?

それぞれのメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

タワーマンション賃貸のメリット

【維持費がほとんどかからない】

タワーマンションを購入した場合、その後にかかる維持費の負担がかなり大きくなります。
一般的に駅から近い場所にあるのでそもそも固定資産税が高いですし、共用施設が充実している分管理費も高額となってしまいます。
しかし、賃貸であれば賃料以外にかかる費用はほとんどありません。
もちろん家賃は普通のマンションと比べると高額ですが、それでも「あらかじめ伝えられている家賃以外はほとんどお金がかからない」という安心感があります。

【すぐに引っ越すことができる】

憧れの的であるタワーマンションですが、実際に住んでみると思っていたのと違っていたり、不便を感じたりすることもあります。
もし、分譲物件を購入してしまっている場合は何かしら不自由があっても簡単に手放して引っ越すということは不可能ですが、賃貸物件を借りているのであればすぐに引っ越すことができます。

タワーマンション賃貸のデメリット

【後に何も残らない】

こちらは「すぐに引っ越すことができる」というメリットの裏返しでもあるのですが、高額な家賃を払い続けても部屋が自分のものになるわけではないので後には何も残りません。若いうちであれば「年代やライフスタイルに合わせて住む場所を変える」という暮らし方も良いでしょう。
しかし、高齢になればなるほど賃貸物件を借りることが難しくなっていってしまうのもまた事実なのです。

タワーマンション購入のメリット

【自分の家を持つことができる】

タワーマンションに限ったことではありませんが、分譲物件における最大のメリットは「自分の家を所有できる」ということです。どれだけ家賃を払っても自分のものにはならない賃貸物件とは違い、分譲物件を購入した場合は住宅ローンを払い終わりさえすれば維持費だけで住み続けることができます。
自分の家があるという事は生来的な安心感にもつながることでしょう。

タワーマンション購入のデメリット

【維持費が高い】

メリットの項で「維持費だけで住み続けることができる」と書きましたが、この維持費が高いというデメリットが実はあるんです。
共用部分の面積が多いことやジム・プール・ラウンジなどラグジュアリーな共用施設が多いことからどうしても管理費が高くなってしまうからです。
また、超高層建築物であるタワーマンションの設備は高性能であることが多いので、その分修繕費用も高額になりがちです。
大規模修繕工事の際も多額な費用がかかってしまうので、修繕積立金では賄うことができず一時金が徴収されるケースも少なくありません。特に、売り出し時に積立金が安い場合は修繕費用が足りなくなることがあるので要注意です。
「負担が少なくて済む!」と安心するのではなく、一時金を徴収されたり今後積立金が増額する可能性があると考えておいた方が良いでしょう。

【身動きが取りにくい】

一旦、分譲物件を購入してしまうと何かトラブルがあっても簡単に引っ越すことはできません。
上記の管理費問題以外にも、タワーマンションでは様々な問題やトラブルが起こることがあります。
例えば、タワーマンションには様々なタイプの住民がいるので住民同士の話し合いがまとまりにくいというデメリットがあります。
他にも住んでいる階によってカーストのようなものが存在したり、高層階では風が強すぎて外に洗濯物を干せない、窓を開けることすらできないなんてケースもあるのです。
住んでから不具合や不便を感じたとしても、分譲物件を購入してしまっている場合は簡単に住み替えることはできません。
もちろん「部屋を売って引っ越す」ということは可能ですが、手続きには時間や手間がかかりますし、納得のいく価格で売れるとは限りません。無事売却できたとしても、住宅ローンが残ってしまう可能性もあるのです。

まとめ

「賃貸or購入、どちらがオススメか?」については、その人のライフスタイルや年代、考え方によって変わってくるのでこれといった結論はありません。

ひとつの考え方としては、まずは賃貸で住んでみて購入を検討するという方法もあります。

憧れのタワーマンションだからといって安易に購入を決めてしまうのではなく、将来的なこともしっかりと考えて結論を出すようにしましょう。