マンションを借りるか買うか、絶対に損をしないために知っておくべきこと

不動産を「借りる」か「買う」かの選択は、その人のライフスタイルに強く関係してくるので、一概に甲乙を付けるのは非常に困難です。仕事、家族構成、ライフイベント等が関係して来るので、ケースバイケースになってしまうからです。

しかし、借りるにしても、買うにしても、絶対に損はしたくないものです。不動産取引は金額も多いことから、失敗は大損にも繋がります。

そこで、ここではマンションを借りる場合と買う場合の、知っておくべきことについて考えてみたいと思います。

1)契約の前に覚えること

 

マンションの契約は、一旦締結してしまうと簡単には解約できません。ですから契約前の準備が重要になるのです。

 

(1)情報収集は非常に重要

 

賃貸マンションでも分譲マンションでも、一旦契約を締結すると後戻りが出来ないため、失敗すると非常に大きな損失を被ります。

ところで、不動産取引で損失を被る原因には、情報収集の不足や、勉強の不足が多かった場合が多いです。

例えば、分譲マンションの購入には、消費税や不動産取得税等、ローンの他に高額な諸費用が発生しますが、これを最初の段階で知るか知らないかで、住宅ローンの返済計画が狂ってしまう可能性が出て来ます。

今はネット等を利用すれば、不動産取引の失敗事例や、知っておくべきポイントの情報を簡単に収集することができます。損をしないためにも十分に情報を収集して、勉強をしておきましょう。

 

(2)失敗の被害は非常に大きい

 

賃貸マンションにしても、分譲マンションにしても、失敗すれば経済的な損失は大きいです。特に分譲マンションで住宅ローンを組む場合は、損失金額が巨額になる場合もあります。

マンションの契約の失敗は、カネの話だけではありません。物件選びを間違ってしまうと、入居後の生活にも響きます。

例えば、タワーマンションは非常に人気が高いですが、タワーマンションの低層階は意外に安価な場合もあり、「穴場」の様に言われることもあります。しかし、実際に低層階に入ってみると、高層階の住民からの差別的な扱いを受ける場合もあり、精神的な苦痛を被る人もいます。

 

(3)マンションの価値は落ちて行くことを覚える

 

マンションが築年数に従って老朽化し、価格が下がって行くことをを覚えることは、意外に重要です。と言うのも、賃貸マンションの場合は築年数が家賃に反映される場合が多いですし、中古マンションを購入する場合は販売価格に絡んで来るからです。

尚、マンションの価値は尺度がいくつかありますが、整理しておけば役に立つ場面も出て来ます。特に、固定資産税が絡む固定資産税評価額と、実際の取引に関係して来る実勢価格は、税金の計算や売却の際に参考になります。

 

(4)ライフステージも忘れない

 

不動産の購入でしばしば見られる失敗に、入居後のライフステージを考えて無かったパターンがしばしば見受けられます。

よくある例としては、入居後に家族が増えて、部屋数が足りなくなった場合が見られます。

確かに未来を見通すことは不可能ですが、不動産の契約は人生設計を見据えた上で行いたいものです。

特に分譲マンションを、自己資金無しの状態でオーバーローンを組んで購入した場合、購入直後の売却では、仲介手数料や税金の分がマイナスされて、借金だけが残る形になります。

 

2)マンションを借りる場合に知っておくべきこと

 

マンションを借りる場合のポイントは、家賃のチェックの他にも、契約のチェックと法的部分でのチェックとなります。知っている場合と知らない場合ではずいぶん違うので、損をしないためにも、是非とも押さえておきましょう。

 

(1)契約書を超える法規制があることを知る

 

賃貸マンションの契約に際して、最も重要となるのが賃貸契約書と言われそうですが、実は契約書以上に法規制が厳しいことを知っておくべきです。

この法律の代表格が「借地借家法」で、法律の中でも特別法の位置づけを持っています。特別法は、商法等の他の法律と干渉した場合、優位に立つ法律となっています。

また、借地借家法は、賃貸契約書に記載してある特約に対しても優位性を持ちます。例えば、特約として貸主から借主に退去を要求できるとしていても、法的優位性から、その特約は無効になります。

法的知識は、損をしないための武器となります。しっかり勉強をしておきましょう。

 

(2)家賃の交渉も可能

 

賃貸不動産の家賃は物件広告に記載されている通りですが、その金額が絶対ではありません。家賃は意外に値引き交渉が可能です。

賃貸不動産の家賃は、隣接地域の同等物件を参考に決められますが、最終的には大家の判断で決まりますので、値引き交渉をしてみるのも有効です。

尚、敷金や礼金は家賃によって決まります。ですから、家賃の価格交渉に成功すれば、初期費用も抑えることが出来ます。

 

(3)借主は意外に有利な立場

 

賃貸不動産の場合、借主よりも貸主の方が立場が強い様に思われがちですが、借地借家法から言えば、借主の立場は有利な面が多いです。

例えば、賃貸マンションの契約期間は、多くが2年契約となっていますが、借主の希望があれば契約は更新され、貸主には解約する自由はありません。貸主からの解約は非常に制限されていて、正当な理由が必要になります。また、その理由の正当性が認められるにしてもハードルが高いです。

 

(4)退去時の原状回復の範囲について

 

賃貸不動産を退去する時に、借主には物件の原状回復義務が発生しますが、借主が「どこまでの回復」を義務として負うかがトラブルの種になりやすいので、行政の考え方を知っておいた方がリスク回避がしやすいです。

原状回復に関しては、行政が「原状回復ガイドライン」を出しています。それによると、通常使用範囲での老朽化や磨耗の回復に関しては貸主負担、過失を伴う部分があれば借主負担となっています。

ですから、壁の日焼けの回復は通常使用の範囲と認められて貸主の負担となり、壁への落書き等は、借主の落ち度とされて借主負担となります。

尚、ハウスクリーニングの費用負担もしばしば問題になりますが、これは貸主負担とされています。

 

3)マンションを買う場合に知っておくべきこと

 

マイホームは「一生の買い物」とも言われる程の高価な買い物で、しかも賃貸の様に住み替えは簡単ではありません。基本的には後戻りが出来ないので、事前の準備は非常に重要です。

 

(1)値段の上がるマンションはほとんど無い

 

最近では不動産投資家によるマンションの買いが集まり、東京の一部地域では、中古マンションにも関わらず、値上げする動きも見られます。しかし、その例は非常にレアなケースと言え、基本的に新築マンションは中古になれば価格を落します。

尚、マンションを売却して利益が発生した場合、その利益に応じて税金が掛かります。税金は所得税や住民税がメインとなりますが、基本的に累進課税となり、収益が増えれば税率も上がるので、注意が必要になります。

 

(2)分譲マンションにも値引きはある

 

賃貸マンションに家賃交渉の余地がある様に、分譲マンションの場合も交渉の余地はあります。しかも、不動産売買の場合は仮に販売価格の5%の値引きとしても、値引き額が数百万円にもなるので、交渉が成功すれば、メリットは非常に大きいです。

ただ、交渉しやすいのにも時期はあって、不動産屋が「売りたい時期」に合わせるのがポイントとなります。ひとつの目安になるのが決算の時期です。この時期は不動産屋も物件を売って、業績を上げようとするからです。

 

(3)中古マンションを敢えて選ぶのもアリ

 

中古マンションの良い点は、何と言ってもコストです。しかし、設備が古く、使い勝手が悪かったりするデメリットもあります。

ところで、最近の動きとして、古いマンションを敢えて購入し、購入後にリノベーションをする例が目立ちます。リノベーションは、設備を新しくするだけでなく、時には室内の壁を動かして、新たな住空間を作ります。旧態依然の和室の並んだ間取りから、広々としたリビングを作り出すのです。

リノベーションも費用によって「出来る幅」が違って来るので、一概には言えませんが、中古マンションを購入してリノベーションをする場合、新築マンションより安くなる場合が多いです。

 

(4)売却も視野に入れても良い

 

マンションの購入は基本的に「長く住む場所」になるでしょうが、最初から売却を前提にして購入するのも十分アリです。ただ、マンションは基本的には値下がりするので、下がり幅を見据えて、損失も計算に入れましょう。

ところで、マンションにも値下がりしやすい物と、値下がりしにくい物があります。駅が近かったり、人気のある街など立地条件が有利な場合は売却も有利になる場合が多いです。

また、有利な条件で売るためには、マンションのメンテナンスがカギとなります。キレイな状態の方が良い査定を取れるからです。

 

4)損をしないために

 

マンションを借りるにしても、買うにしても、損をしないための共通事項はあり、十分なチェックが必要です。

 

(1)重要事項説明書をしっかり確認する

 

不動産取引の際には、重要事項の説明がされますが、内容確認が非常に大切になります。

特に大きなポイントとなるのは、瑕疵の有無です。

瑕疵には、建物や設備に発生した不具合を示す物理的瑕疵、法的な使用制限が発生する場合の法的瑕疵、周囲にゴミ焼却場や下水処理場等があり、悪臭等の環境的悪条件のある環境的瑕疵、自殺や殺人事件が物件に関係した心理的瑕疵があります。

瑕疵の有無や内容によっては、購入価格に反映されて安くなっている場合もありますが、価格と瑕疵の内容について納得できるかどうかは入居者自身になります。後悔しない様に、重要事項説明書を詳細にチェックしましょう。

 

(2)規約のチェック

 

賃貸マンションにしても、分譲マンションにしても、規約の確認は非常に大切になります。部屋の改装や生活に、直接影響して来るからです。

例えば、中古マンションを購入してリノベーションをする場合等、マンションの管理規約によっては工事の制限が発生します。

マンションの場合だと、専有スペースと共有スペースを分けてあり、入居者が自由になるのは専有スペースの範囲となります。ですから、室内設備の変更は自由になるのですが、共有スペースに関係して来る部分…ドアや窓サッシに関しては、外側が共有スペースになるので、交換が出来ない場合が多くなるのです。

また、生活の制限も規約で定められています。

例えば、マンションのベランダでガーデニングを楽しむ人は多いですが、あまり度が過ぎると管理規約に抵触する場合があります。ベランダは共用部分となっており、緊急時には脱出通路になり、物を置きすぎると邪魔になるからです。

 

(3)諸費用の確認をする

 

賃貸マンションも分譲マンションも諸費用が発生します。

賃貸マンションの場合は敷金、礼金、仲介手数料、前家賃が費用として発生します。また、分譲マンションの場合は消費税、不動産取得税等の税金、そして仲介手数料が発生します。

金額としては、賃貸マンションの場合が目安として4ヶ月分程度、分譲の場合は購入価格の1割にも上ります。

いずれの費用も高額なので費用の確認はしっかりしましょう。

特に住宅ローンを利用する場合は、この部分を計算に入れ忘れると、返済計画にまで影響を及ぼしますので、注意が必要となります。

 

(4)現地の確認をしっかりと

 

新しいマンションは新生活の場所となるので、土地や建物だけでは無く、現地の状況確認も非常に大切です。近くに商業施設があるか、学校や病院は近いか、もしもの時のための避難場所までの距離はどうか・・・等ですが、実際に現場に行かないと分からない物も多いです。

例えば、環境的瑕疵ですが、重要事項説明書に書かれていても、それがどれくらいの状況であるかは、現場を確認しなければ分かりません。例えば、近隣に下水処理場等があり、悪臭が発生しているならば、環境的瑕疵として挙げられますが、それがどれくらいのレベルであるかは人それぞれで違うからです。

いずれにしても、現地の確認は内覧と同様に非常に重要になりますので、億劫がらずに足を運びましょう。

 

5)まとめ

賃貸マンションにしても、分譲マンションにしても、損をしないために必要なのは、事前の確認と勉強がメインとなります。

契約の確認、法律の確認、現地の確認等、必要な事項は多いですが、損失を避ける上では重要なことです。マンションの契約で損をしないためにも、しっかりと確認をしましょう。