一人暮らしの場合、賃貸と購入どっちがいいの?気になる費用も比較!

多くの一人暮らしの方が、賃貸契約をしたアパートやマンションに住んでいることと思います。
結婚して家庭を持つなどすれば、マンションや戸建てを購入するという選択肢が登場しますが、一人暮らしの場合は、まだ当面は賃貸でいいと考えるのが一般的でした。

ただ、昨今、仕事や結婚への考え方、ライフスタイルの多様化が進み、一人暮らしだから賃貸という選択肢だけではなく、一人暮らしの方もマンションを購入する方が増えてきています。
一人暮らしの場合は、賃貸と購入どちらがいいのかを、気になる費用なども比較しながらチェックしてみましょう。

一人暮らしは賃貸でOK?

マンションやアパートを借りた場合、当然毎月の家賃を支払わなければなりません。みなさんが当たり前という認識を持ってそれを行っていますが、毎月もったいないと思っている方も中にはいると思います。

毎月毎月家賃を支払いしているものの、賃貸マンションは自分のものになる訳ではありません。 そのとき、借りる以外にも買うという選択を意識するようになります。

現在払っている家賃でどの程度のマンションが購入できるのか?

現在払っている家賃でいくらのマンションが買えるのか、正しい情報を把握をする必要があります。もちろんエリアによって家賃相場は違います。
東京都のシングル向けマンションに住むのなら、ワンルーム、1K、1DKあたりで、23区内ですと家賃相場は大体10万円程度になってきます。
人気の市区町村1位は「新宿区」、2位は「中野区」、3位は「渋谷区」でそれぞれの家賃相場は、新宿区が9.79万円、中野区が8.03万円、渋谷区が11万円となっています。(2018年月7日現在 HOMES/ホームズ調べ)

賃貸でマンションに住んでいる場合、おおよそ10万円という家賃を毎月毎月支払っているわけですが、マンションを購入し、この家賃をそのまま住宅ローンとして支払う場合、どのぐらいのマンションを購入することができるのかを見ていきます。

ローンにもいろいろな種類がありますが、
例えば頭金なし、金利2%で35年ローンという場合には、賃貸の毎月の家賃支払い7万円以下で、2,000万円のマンションを購入することができます。 物件が2,000万円の場合、月々の返済額は、6万6,252円です。(金利2%・元利均等・35年ローン)

都心でマンションが欲しいという人たちも、中古マンションであれば、この程度の価格帯でしたら充分視野に入れることができるでしょう。

管理費や修繕積立金

マンションを購入することになった場合、管理費や修繕積立金という家賃以外の費用を支払う必要もあります。 管理費・修繕積立金が月々3万円程度と考えるなら、大体毎月10万円程度の支払いということになります。これで、賃貸の支払いととんとんとなる場合も多いでしょう。 新宿区のマンションの家賃相場は、9万7,900円ということなので、ほとんどこのラインの置き換えを実現することができます。
>>国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
※修繕積立金や管理費はマンションはそれぞれ置かれた状況が全く異なるため、ガイドラインで示された目安の中に必ずしも納まるわけではありません。

固定資産税や購入時の諸経費

マンションを購入するということは、みなさんの資産を維持することになり、毎月、固定資産税を支払うことになります。物件購入時に諸経費についても考慮する必要はあり、新しいマンションを購入した場合 3~7%、中古の場合6~10%あたりが上乗せのラインとされています。

金融機関によって違いがあり、諸経費は住宅ローンの中に組み込むことができるケースもあります。
>>東京都主税局「固定資産税・都市計画税に関するQ&A」

マンションを購入した場合の総額費用

仮に上記の例で用いた2,000万円のマンションを購入する場合、 35年でローンを支払いを済ませた総支払額は2,782万5,861円ということになります。

諸経費を合わせれば、
支払総額2,782万5,861円+諸経費200万円で2,982万5,861円
※諸経費は物件価格の10%で想定

管理費・修繕積立金35年分は毎月3万円と想定した場合、3万円×35年分で1,260万円

物件購入支払総額2,982万5,861円+管理費・修繕積立金35年分1,260万円で計4,242万5,861円ということになります。

具体的に数字を出して比較することは非常に重要です。ここまでは、マンション購入の場合の資金について考えてきましたが、次は賃貸マンションの家賃を、一体いくら払っているのかということについて見ていきましょう。

賃貸マンションに住み続けた場合の総額費用

新宿区の家賃相場9万7,900円を例にして考えてみましょう。毎年の支払い額は117万4,800円ということになります。 敷金、礼金、2年に一度、契約を更新するケースがあるので、その際に、家賃の1カ月分の支払いがあることも含めて計算してみましょう。

・家賃の支払総額(35年)9万7,900円×35年=4111万8,000円
・敷金、礼金 敷金(1カ月分)9万7,900円+礼金(1カ月分)9万7,900円=19万5,800円
・2年ごとの更新費用総額(17.5回)9万7,900×17.5回=171万3,250円

家賃支払総額、敷金・礼金、更新費用の総額は4,302万7,050円となり、この計算の場合では、賃貸の方が600万円ほど高い計算です。

35年よりも長く住み続けるかも

しかし、賃貸マンションに住んだほうが安いという結論にしてしまうのはまだ早いです。 こんなに長く賃貸物件に住まないという考える人もいらっしゃるのかもしれません。期間を35年という長さで見たのですが、実際にはもっと長く賃貸マンションで生活をしている人たちも大勢います。住み続ける限り賃貸マンションでは、家賃を支払い続ける必要があります。
購入したマンションの場合は、ローンの返済が完了してしまえば、あとは月々にかかる費用は管理費と修繕積立金だけです。
家賃を40年以上もの長い期間支払い続ける人たちもいますが、結果、マンション購入した金額よりは、間違いなく高くなってしまうことでしょう。

購入した場合設備の交換も

とはいえ、そんな簡単に一筋縄でいかないのも、賃貸・購入の抱える問題です。賃貸マンションの場合では、住まいの設備に不具合が出たときには、大家さんがすべて修繕を受けてくれることになりますが、購入した物件の場合は、不具合の度に自己負担をしなければならないのです。 ガス給湯器などを使用すれば、当然、そのような機械も買い換えしなければならない時期は必ずやってきます。ガス給湯器、システムキッチンのビルトインコンロなどの寿命についても考える必要があります。そこにかかるお金は、さきほどの数値には計上されていません。

マンション200倍の法則とはなにか

マンション200倍の法則とは、物件の販売価格が同等のマンションの家賃相場の200倍以内なら、その物件は買った方が得という法則です。逆のパターンもあり200倍以上なら、賃貸マンションの選択のほうがお得ということになります。

ここで再び新宿区の家賃相場を例として計算します。
9万7,900円に、200をかけて、1,958万円以下のマンションなら、購入した方がいいということになります。1R、1Kタイプの中古マンションでは、この金額で購入できる物件もあるでしょう。

2,000万円台以下で東京都の新築マンション・分譲マンションが購入出来るかということも、注目しなければならないポイントです。

この法則によれば、1,958万円以下のマンションを見つけることができれば、購入してもいいということになります。

賃貸マンションのメリット・デメリット

お金だけの問題で語ることができない問題もありますので、それについても考えてみましょう。

結婚して家族が増えるかもしれないから賃貸マンションでいいという方もいらっしゃいます。そして、子どもはある年齢になったら家を出ていってしまうかもしれません。転勤の問題も考えるときが来るかもしれません。フレキシブルという意味では、そのまま賃貸マンションに住むことがメリットになる場合もあります。

分譲マンションを購入する場合、ローンが続いている状態で売却・転貸の方法はありますが、なかなか手間のかかる作業です。 賃貸マンションならライフスタイルによってフレキシブルに対応することができますが、マンションを購入した場合はそうは簡単にはいかないでしょう。

マンションを購入する場合には、最初からしっかり将来について計画を立ててから購入する必要があります。また、将来を考える中で住宅ローンについても考え、予めマンションを購入する為の頭金などのお金に関する準備ができていれば住宅ローンの支払も抑えることができます。
ただ、年齢が高くなるほどローンが組めないリスクも高くなることも考えておく必要があります。

2,000万円でそもそも都心にマンション購入は出来ない?

東京23区で2,000万円以下のマンションが購入できるのかという疑問ですが、エリアや間取り、設備にもよりますが2,000万円以下のマンションを購入することは可能です。
※東京23区内では1R、1Kタイプが中心。東京23区外では1LDKタイプや2LDKタイプもある。

中古マンションを購入してリノベーションする方法や、既にリノベーションされた物件を購入することも最近の流行りで選択肢の一つとして検討してみてください。ただしリノベーションにも費用は必要です。

中古マンション購入の注意事項

中古マンションを購入するほうがもちろんハードルは低いですが、その時に注意をしなければならないのは、ある程度築年数の経過したマンションを購入することになるので、以下のことをしっかり確認することが必要です。

長期修繕計画書の確認

まず、長期修繕計画書の確認です。長期修繕計画書とは、マンションを新築した際に作成される大規模修繕工事やメンテナンスなどのスケジュールが記載されてある書類のことです。 長期修繕計画書を確認することによって、購入して、すぐに大規模改修工事がスタートすることがわかれば、そのとき想定外の費用も相当かかってしまうことも頭に入れる必要があります。

新耐震基準

日本は震災も繰り返し起こっているので、中古マンションと向きあうときには、建築基準・耐震性の問題は大丈夫かしっかりチェックする姿勢も大事です。
1981年6月1日以降に建築したものであれば、新耐震基準で施工されていると判断出来ますが、そうでない中古マンションを買ってしまうこともあるでしょう。 (建設工事は、建築確認後となり、1年~1年半程度のズレも加味する必要があります)
新耐震基準施工後でも、旧耐震基準はあると考えてください。ですから、購入する人たちがなおさら慎重にチェックする必要があります。確認を怠れば、その分だけ自己負担が嵩んでしまうことになります。
>>国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」

住宅借入金等特別控除

さらに、中古物件を購入した場合、税金控除制度が適用されないケースもあります。 住宅借入金等特別控除を受けるには、購入か、増改築をした日から6ヵ月以内に居住しなければならない、取得した住宅の床面積の2分の1以上が居住スペースである必要がある、または耐火住宅は築25年以内、耐火建築物以外は築20年以内のものなどの様々な条件があります。 (平成17年以降に取得をした中古物件は、地震に対する安全基準に適合すれば、築年数制限を受けることはありません)
>>国税庁「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」

登録免許税

登録免許税における特例に対しては、床面積が50㎡以上、耐火住宅は築25年以内、耐火建築物以外は築20年以内であるなど条件があります。
平成17年以降に取得した中古は、地震に対する安全基準に適合すれば、築年数制限はありません。
条件が満たされれば、税率が0.004%のところを0.001%の税率が適用されたり、債権額が1,000万円の場合であれば、通常4万円の登録免許税を納めるところ、特例適用で1万円で済ますことができます。(住宅ローン契約などによる抵当権設定の場合)不動産取得税にも同じ様な条件で特例があります。
中古マンションの固定資産税についても、不動産屋さんに十分確認するようにしてください。

中古マンションの購入にもメリットはあります。 しかし、築年数や建築基準について見落としてしまえば、控除制度を受けることができなくなるリスクを抱えてしまうことになります。
ほとんどの方々があまり詳しくないため、信頼できる不動産会社に聞くというのも方法です。しかし不動産会社にあまりに頼りすぎるのではなく、マンション購入の注意点や特例の存在は、自分自身でチェックしておくという意識は必要ではないでしょうか。
>>国税庁「登録免許税の税額表」

まとめ

賃貸マンションは、ライフスタイルに応じてフレキシブルに対応でき、気楽に暮らせるなどメリットとしてあげることができます。ただし、賃貸マンションとずっと向きあうのなら、「定年退職後の家賃の貯蓄」についても考える時期が来るでしょう。

マンションを賃貸するか購入するか、双方メリットはありますが、「住まいのための貯蓄」をしなければならないという意味では、同じ発想を持たねばならないものではないでしょうか。