「分譲vs賃貸vs戸建」 それぞれの一生涯コストを計算してみました!

ご自身やご家族との住まい選びにあたって、そのコストについては誰もが重要視するポイントになります。
特に住居にかかるコストは一生涯のライフコストにおいて非常に大きなウエイトを占める部分であるため、多くの方にとってシビアにプランニングする必要があります。

住まい選びにあたってはコスト面以外にも、ライフスタイルやご自身・ご家族の指向などさまざまな要素がありますが、この記事では特に気になるコスト面を中心に、「分譲vs賃貸vs戸建」のそれぞれのケースに照らし合わせて解説してまいりたいと思います。

住まい選びにおける「分譲・賃貸・戸建」の基礎知識

「分譲vs賃貸vs戸建」 それぞれの一生涯コスト

住まい選びの選択肢として代表的な「分譲・賃貸・戸建」の生涯コストについて知る前に、まずはしっかりとそれぞれについての基礎知識を確認しておきましょう。

分譲について

テレビCMや各種広告などでもよく耳にする「分譲」という言葉。
不動産購入の一形態であることは多くの方がご存知の事かと思いますが、その具体的な定義についてご存じない方も少なくないのではないかと思われます。簡単に定義すると、「分譲とは、区分けされた土地を販売すること」となります。
分譲住宅とは土地と建物がワンセットのなっている販売形態であり、分譲住宅を購入することでその土地の所有件も同時に購入することとなります。
また、分譲マンションの購入の場合にも上記と同様に土地の所有権を入手することとなりますが、集合住宅である分譲マンションの場合には購入面積に応じた所有権となります。

賃貸について

住宅選びの形態として多くの方になじみ深いと思われる「賃貸」。
賃貸マンション・賃貸アパートなど、住居選びにおける初期費用負担の軽さや手続きの簡単さから、多くの方に利用されている形態であると言えるでしょう。
あらためて賃貸の定義について整理すると、「賃貸とは、賃料と引き換えに相手に物品を貸し出すことであり、賃貸物件の場合には物件所有者が賃料と引き換えに賃借人に物件を貸し出す」ということになります。

戸建てについて

「いつかは庭付き一戸建て!」など、多くの方にとっての憧れである戸建てという住居形態。
これを定義すると「戸建てとは、一棟の家屋が独立してひとつの住居となっていること」となります。
土地の上に一棟の独立した家屋がひとつの住居として存在しているという意味では、分譲住宅も戸建てにあたります。

「分譲マンション・賃貸・戸建て」それぞれのメリット・デメリット

前述のとおり、分譲住宅と戸建ては概ね似通った意味を持つものであるので、ここからは「分譲マンション・賃貸・戸建て」という分類における、それぞれのメリット・デメリットについて探ってまいりたいと思います。

分譲マンションのメリット

  1. 管理組合による安心感
  2. セキュリティ面の充実
  3. リフォームなどの自由度が高い

一般的に、分譲マンションへと入居すると居住者によってつくられる管理組合へと参加することが必要となります。このことによって同じマンションにすむ他の住人とも近所づきあいができ、生活していく上でさまざまなメリットがもたらされるでしょう。特にご高齢の方などは、近所に知人がいるとなにかと安心であるかと思われます。

また近年の分譲マンションではほとんどの場合管理人がエントランスに常駐していることに加えて、オートロック化された入り口ドアや防犯カメラ・警備会社によるセキュリティーなど、生活を営む上で重要な問題であるセキュリティ対策が充実していることもメリットと言えます。

さらに、住環境の現状維持が求められる賃貸マンションとは異なり自己所有物件となる分譲マンションの場合は、リフォームなど住環境のカスタマイズも比較的自由におこなうことができることも魅力的です。

賃貸のメリット

  1. 手続きの手軽さ
  2. 初期費用負担の軽さ
  3. 経年劣化による修繕の負担が貸主となる

自己所有物件と比較した際の賃貸物件における最大のメリットは、契約手続きや初期費用負担の簡易さにあると言えます。

ローン審査や高額な頭金など初期費用の負担が求められる物件購入とは異なり、敷金・礼金等あわせて数十万円程度の初期費用負担で済む賃貸物件。これを言い換えると、ご自身の気分やご都合にあわせて自由に住みかえができる身軽さが賃貸物件のメリットであると言えます。

また、自己所有物件の場合には経年劣化などによって必要となる補修・修繕などもご自身によっておこなう必要がありますが、賃貸物件の場合にはこのような補修・修繕については貸主負担となるケースも多く、物件の維持における負担も自己所有物件と比較して軽易である点もメリットとなります。

戸建てのメリット

  1. プライバシーが守られる
  2. リフォーム・改装など自由に住空間をデザインできる
  3. 安心してペットと暮らせる

戸建て住宅のメリットとして特筆すべきは、やはり住環境におけるプライバシーの高さにあると言えるでしょう。

一棟の建屋を共有する集合住宅では、「お隣の○△さん家のお子さんは×◇小学校の5年生で、ご主人は◇△商事の係長サンで、奥様は週2回スーパーマーケットでパート勤めをしていて・・・」など、ご自身やご家族の情報は筒抜けとなってしまいがちですが、独立した一等の建屋を占有し住居とする戸建て住宅の場合には、ご自身やご家族の大切なプライバシーをより守ることが叶うでしょう。

さらに建屋自体も自己所有となる戸建て住宅の場合には、リフォームや住まいの建て替えまでもご自身のご都合やお好みでおこなうことができる点も大きなメリットと言えます。

また、集合住宅ではご近所トラブルの原因となってしまいがちなペットについても、戸建て住宅においては安心して一緒に暮らしやすい点も魅力です。

「ご自宅の裏庭でご家族やご友人と楽しくバーベキューを囲んでいる周りで愛するペットのワンちゃんが幸せそうに駆け回っている良く晴れた日曜日の昼下がり」というような幸福な空間と時間を実現することも、戸建て住宅では夢ではありません。

分譲マンションのデメリット

  1. 他の住人との距離の近さ
  2. 住みかえの難しさ
  3. 物件購入代金以外の費用負担がある

購入することでご自身の所有物件となる分譲マンションですが、一棟の建屋を他の住人と共有する集合住宅であるため、ご近所さんとなる他の住人をご自身で選ぶことはできません。
円滑なご近所づきあいを構築することに成功すれば安心して暮らすことができますが、人と人同士であるためご近所トラブルが生じてしまう可能性は否めません。

さらに、高額な代金を支払って購入した物件であるがゆえ、万一ご近所トラブルに見舞われてしまったからといって住みかえの判断もそう簡単にはしづらいことでしょう。

加えて、分譲マンションには購入代金以外にも、共益費や修繕費などの費用負担があることも忘れてはいけません。さらに一戸建てとは異なり、マイカーを所有する場合には駐車場も別途借りなければいけないという費用負担も生じます。

賃貸のデメリット

  1. 他の住人との距離の近さ
  2. 永続的な家賃負担がある
  3. 住環境における自由度の低さ

集合住宅の賃貸の場合にも分譲マンションと同様にご近所トラブルのリスクがあると考えられます。しかし、住みかえが困難となる自己所有物件と比較して賃貸物件の場合には軽易に住みかえが可能なので、ご近所トラブルなども比較的軽易に回避することができると考えることが出来ます。

また、住宅ローンの完済などによって居住費支払いが大きく軽減される自己所有物件とは異なり、賃貸物件の場合には住んでいるかぎり永続的に家賃を支払い続ける必要があることも賃貸物件のデメリットであると言えるでしょう。

さらに、ご自身やご家族のご都合やお好みに応じて自由にカスタマイズ・リフォームをすることが出来る自己所有物件とは異なり、原状の維持・回復が求められる賃貸物件では住環境における自由度の低さもデメリットとなると考えることが出来ます。

戸建てのデメリット

  1. 高額となる購入費用
  2. 物件維持における自己負担
  3. 住みかえの難しさ

多くの方にとっての憧れである戸建て住宅。しかし購入が躊躇われる最大の理由としてはその購入費用負担の大きさにあると言えるでしょう。

さらに購入費用のみならず、ご自身の所有となる建屋の維持や管理にかかるコストは当然のことながら自己負担になることに加えて、固定資産税も負担が発生することも忘れてはいけません。

また分譲マンションと同様に住みかえが困難であることも大きなデメリットとなる可能性もあります。

生涯コスト比較でみる「分譲マンションvs賃貸vs戸建て」

生涯コスト比較

ここまで、住まい選びの代表的な選択肢である「分譲・賃貸・戸建て」についての基礎知識やそのメリット・デメリットについて解説してまいりました。

いよいよここからは、本記事のテーマである「分譲マンションvs賃貸vs戸建て」の生涯コストについて比較を交えながら探ってまいりたいと思います。

戸建て住宅における生涯コストについて

戸建て住宅の購入においては住宅ローンの利用が一般的であることから、その利息負担についても見逃してはいけないポイントとなります。

住宅購入や維持にかかるコストは個々のケースによって差異があるため一概には言えませんが、たとえば5000万円程度の戸建て住宅を購入したとき、頭金なしで50年ローンを支払った場合にはおよそ2000万円程度の利息負担が生じてしまうことに対して、1000万円の自己資金を支払い4000万円程度の住宅ローンを利用した場合にはお1600万円程度の利息負担となり、なんと400万円もの差が生じる事となります。

また、戸建て住宅を自己所有したときに忘れてはならないのが、維持管理費や固定資産税が必要となることです。

細かな修繕や大掛かりなリフォームなど、それらすべての金銭負担は物件所有者の者となります。

また、地価や家屋の価値などさまざまな条件によって税額は決定されますが、一般的にはおよそ年額10万~15万程度の固定資産税による出費があると考えられます。

分譲マンションにおける生涯コストについて

戸建て住宅と同様に分譲マンションを購入する際にも住宅ローンを利用する方が多いことかと思います。

5000万円程度の分譲マンションを頭金なしで50年ローンを利用し購入した場合にはおよそ2000万円程度の利息負担が、1000万円の自己資金を支払い4000万円程度の住宅ローンを利用した場合にはお1600万円程度の利息負担となり、やはり戸建て住宅の購入と同様に400万円もの差が生じる事となります。

また、分譲マンションには共益費・修繕費などの支払いがあり、一般的には戸建て住宅の維持管理費よりもこれらのコストが上回ると言われています。

5000万円で購入した分譲マンションに50年間住み続けた場合、これらの維持管理費はおよそ2500万円から3000万円程度となることも多く、物件所有者のさじ加減で維持管理費を設定できる戸建て住宅の維持管理費を大きく上回ることが考慮されます。

賃貸における生涯コストについて

自己所有物件となる分譲マンション・戸建て住宅とは異なり、住み続けている限りは永続的な家賃の支払いが必要となる賃貸物件。

一般的なファミリー向けと考えられる家賃月額14万円の賃貸マンションに50年間住み続けた場合、その総額は更新料などを含めておよそ8800万円程度となります。

また、少しリッチに家賃月額18万円の賃貸マンションに50年間住み続けた場合、その総額は更新料などを含めておよそ11000万円程度となります。

これを自己所有物件と比較したときには割高に感じられる方もいるかと思いますが、実際には子供の独立などライフサイクルに応じてご夫婦二人用の物件に引っ越すことで家賃負担を抑えることが出来るなど、生涯コストにおいてもフレキシブルにコントロールできる点も賃貸物件のメリットとして考慮することができます。

「分譲マンションvs賃貸vs戸建て」の生涯コスト比較

上記の例に基づいて「分譲マンション・賃貸・戸建て」の生涯コストを比較してみると、

50年ローン・自己資金1000万円で分譲マンションを購入した場合には、およそ1億円程度のコストが必要となると考えられます。

また、戸建て住宅を同様の条件にて購入した場合には、およそ8500万円程度のコストが必要となると考えられます。

分譲マンションと戸建て住宅で大きく金額に差が生じていますが、これは分譲マンションに必要な経費となる共益費・修繕費などの維持管理費の負担によるものです。

また、前述のとおり家賃月額14万円の賃貸マンションに50年間住み続けた場合、その総額は更新料などを含めておよそ8800万円程度、家賃月額18万円の賃貸マンションに50年間住み続けた場合、その総額は更新料などを含めておよそ11000万円程度となり、コスト面のみをとらえるとそのパフォーマンスは自己所有物件に軍配があがると考えることができます。

さらに、分譲マンションや戸建て住宅などの自己所有物件はそのまま資産となり、必要に応じて賃貸物件として貸し出し家賃収入を得たり、売却することによって換金することもできるため、あくまでコストパフォーマンスという意味では自己所有物件の方が賃貸に比べて優れていると考えることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事では、「分譲マンションvs賃貸vs戸建て」の生涯コストに主眼を置いて解説してまいりました。

住宅選びの選択基準はコストばかりではなく、ご自身やご家族のライフスタイルやライフステージなども重要な要素となりますが、やはりその生涯コストについても判断基準として誰にとっても重要なものであるかと思います。

他の判断基準と同様に、その生涯コストについてもしっかり計画を立てることで、ご自身にとって最良のマイホーム探しに役立つことでしょう。